どもども睡魔と一戦交えたぶんちょですよん　|･ω･)

先週の日曜日、友人に誘われて横浜を散策する翻訳者のイベントに参加した。べつにぶんちょは翻訳者ではないのだけれど、翻訳にちょっとでも触れていれば誰でも参加可能とのことで、遠いしちょっとめんどくさいしお金かかるから行きたくないなと思いつつも誘いを断れずにひょこひょことついていくことになった。

普段は参加者が２０人も集まらないささやかなイベントらしいのだけれど、今回は違った。特別ゲストとして有名な某翻訳者さんが来ることになっていたのだ。しかも散策コースはその人がコーディネートしていて、おのずとその翻訳者さんのファンがこぞって参加することに。

ぶんちょはその翻訳者さんが講師として行っている翻訳の授業に参加したことなどないどころか、会ったことすらない。翻訳書を読んだことも皆無だ。けれど、実はお互いまったく知らないというわけではない。ぶんちょの友人にその翻訳者さんの授業に参加している人が何人かいる。その友人とぶんちょとほかの友達と７人でブログを書いており、そのブログと翻訳者さんのブログがリンクしてあって、お互いにたまにコメントしたりされたりしているのだ。

向こうは翻訳関連では有名人なのでぶんちょはその翻訳者さんを知っているけれど、ぶんちょはしがない大学生の一般ピーポーなので、向こうはぶんちょを知らない。こちらから、「あーどうも、ブログではお世話になっておりますぶんちょです～。かれこれ２、３ヶ月は更新してませんけど覚えてますかねえ、ははっ☆」とHNを明かしさえしなければ穏便にことを済ませられる。なんだか恥ずかしいのでひっそりと黙っておこう、とそう心に決めていた矢先のことだった。

「先生っ！　これがぶんちょさんですよっ！」

とすかさず明かしてしまう私の友人。なんてことをしてくれるのだ。一時期ぶんちょが書くブログについて生徒たちと話していた時期があったらしく、そのイベントに参加していた何人かが、ああ、あなたがぶんちょさん！　と急に反応してきた。そしてなぜか本名ではなくHNで自己紹介しなおす羽目に。わ、なんだいなんだいこのオフ会ちっくな雰囲気は！　やめてやめてぶんちょをさらし者にしないで。日のあたらないじめじめと苔が生えたところでひっそりとブログを書かせておくれ！　もうだいぶ長いこと書いてないけれど！

さて恥ずかしい自己紹介も終わり、さっそく横浜散策のたびに出かけた。氷川丸の中を見学し、山下公園をぐるっとまわる。イチョウの並木道をくぐりぬけ、ウォーキングコースとしてよく使われるらしい道を歩いてゆく。「ウチキパン」という名前のお店をみつけて、「ウチキパン！？　あそこのパンを食べたらウチキになっちゃうの！？　いやんどうしようっ☆　ぶんちょすでにウチキだよぅ。きゃはっ！」と友人と妙なテンションで騒いで周りの人に引かれる一面も。

２時間半ほどあちこち歩きまわり、最後にお待ちかねのランチタイムとなった。名前は忘れてしまったけれど中華街の中で有名なお店らしい。その日は朝早かった上にちょっと寝坊気味におきたのでバナナ１本のみが燃料だった。そのせいでおなかはぺこぺこ。バナナ１本の効果なんて、無駄な動きしかないぶんちょにとってはすずめの涙ですよ。最初の一皿が出てきて口に入れたときの感動をどう伝えようか。生きててよかった、としか言い表せない。空っぽの胃にガツンと放り込まれる味の濃い中華料理に全身が喜びで打ち震えていた。

食事中の話題はもっぱら、別のテーブルにいる翻訳者さんやその授業のはなし、授業のあとの飲み会の話だった。１ミリもついていけないぶんちょは主に食べる専門。とにかく食べまくるぜ。普段から質素なご飯しか食べていないのでついつい、「いつも納豆UDONしか食べてないから感動だ！」と口走ってしまったのがいけなかった。隣にすわっていた、見るからにいいとこ育ちのセレブですといわんばかりのお上品な女性のスイッチをオンにしてしまったようだ。

「納豆うどんって、なんですか？」
「えっ、その名のとおり、納豆とUDONです……」
「納豆とうどんを一緒にたべるんですか？」
「そ、そうです。納豆をぶっかけるのです……」
「へえええ！」
相手はその簡単質素な食事にいたく興味がわいたのか、なぜか突っ込んで質問をしてくる。
「でもどうして納豆なんですか？」
「えっ！？　や、安いから、です……」
「へえ、そうよねえ。栄養価も高いものねえ。でもいつもそれってわけじゃないでしょ？　え？　毎日！？　飽きたりしないの？」
「いや……その、あの、節約と申しますか、そりゃあ飽きたりもしますけど、それが問題じゃなくて、その」

隊長！　ピンチです！　本物のセレブを相手にこの話題はハンデがありすぎます。敵は純粋に疑問をぶつけてくるうえに微妙に意思疎通がはかれません。しかもかわいそうな子を見るような目でこちらを見つめて料理をどんどん勧めてきます！　どうかご指示を！！

そんなこんなで食事が終わり、解散となった。店を出ると、大きなオウムが入ったケージがアスファルトにでんとおいてあった。これは反応しないわけには行かない。誰よりも早く身を躍らせてぶんちょはらぶりぃなオウムさんの元へひとっとび。

「おまえかぁいいなあああ！　おい、寝ているのかい？　おーい☆」

周りの目も気にせず一気に鳥と二人っきりモードに突入。すると酒の入ったごきげんな例の翻訳者さんがぬっと現れた。

「やっぱり鳥がお好きなんですねー！　ブログとまったく同じ話し方なんですねー！　ええっと、たしか文鳥を飼っていらっしゃるんでしたっけ？　だからぶんちょさんなんですよね」

えっ、今更！　と思いつつ受け答えするたじたじのぶんちょ。

なにはともあれ、無事に横浜散策を終えて家路につきました。お土産でかった中華街の豚まんうまうま。