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どうもこんばんは。シュバルツバースの車窓からbunchoです。

一週間以上も前のことだが、髪を切りにいった。親の敵のようにばっさりと切ってやった。

今回はいつも行っている美容院には行かず、一度も行ったことのないところで切ることにした。というのも、今までのところは、

「髪を短くしたいって!? もったいないよ。ていうか、短くするともっとクセ出るよ。肩より短くしない方がいいよ。はい、決定!!」

と、なぜか意見を押し付けてきて、小心者の私は流されるまま美容師様の言いなりなってばかりだった。長年彼奴らに流され続け、いつも同じような髪型にしかならず、さすがにもう飽きてきた。

こ、こんなのもう耐えられん!!

といきり立ち、「北千住 美容院 口コミ」というキーワードでグーグル先生にきいてみた。すると、私の目に、ある美容院のキャッチフレーズが飛び込んだ。

「隠れ家的な雰囲気の美容室」

……ほほう。隠れ家ときたか。隠れ家というくらいなのだから、店内はひっそりとした空気が漂っているに違いない。客はほとんどおらず、古びた蓄音器から洒落たクラシックが聞こえ、物静かなマスターがはさみの手入れをしており、「マスター、いつもの」と一言声をかけるだけで、メニューには載ってない私だけのスペシャルセットが用意される、みたいな。

だいぶ妄想が働いていることを自覚しつつも、この美容院に決定。さっそく予約を入れていざ出発。

現地へ赴き、なぜここが隠れ家と呼ばれているのか即座に理解した。ただ単に店内が狭く、わかりづらい場所にあるからというだけだった。美容師さん、物静かどころかめっちゃ話しかけてくるし。妄想と合致したのは、客がほとんどいないという点のみ。平日の、しかも店じまい間際に来店したからだとは思うが、ちょっと不安にかられた。

まあ、気を取り直していざカット。私は超がつくほどのド近眼なので、メガネを外したら最後、美容師さんが何をしているのかなど見当もつかない。途中で茶々を入れることもままならない。こうなると、もはや美容師さんの独り舞台だ。美容師さんの腕のみで、私の髪型は形成されていく。

カットだけなのに、やたら時間がかかっている。30分、遅くとも40分くらいで終わるだろうと高をくくっていたのだが、いっこうに終わる気配がない。最終的に1時間半もかかって、やっと作業は終了した。

「おつかれさまでした~。これでいかかでしょう?」

美容師さんの言葉と同時に、メガネが手渡される。私はメガネを装着し、恐る恐る鏡に目をやった。



………。




……………。




うん、てゆーか。








聖子ちゃんカットかよっ…(´Д`驚)…!!





と、ツッコミを入れたくなるような、昭和テイストな仕上がりだった。

引きつった笑みを顔に張り付け、プルプルと震える手で代金を支払い、店を出て速攻で髪をかきむしった。

どうやらカットは問題ないようだ。だが、ブローとスタイリングがイケてない。あまりのイケてなさにむしろ感動を覚えた。



恐るべし、隠れ家的な美容室。

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