大学生活とか、本とか、文鳥とか、たべものとか。
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ぶんぶんぶーん♪ ぶーんっちょっ! ぶんちょっ、ぶんちょお♪ (ドン・キホーテのテーマソング風に)
その日は雨が降りしきっていた。手にした大きめの傘に雨粒が当たる音を楽しみながら、私は家から駅まで徒歩25分ほどかかる道をひたすら歩いていた。北千住近辺に住む子供たちが家路へと戻る姿が、ちらほらと視界の端をかすめては消えてゆく。もう夕方の5時になろうかという時刻である。
雨あしが徐々に強くなり、傘をたたく音も大きくなってゆく。それを聞くともなしに、駅へと向かう足をはやめる私の耳に、雨音に負けない少年の叫び声が聞こえた。
「絶交だ。もう絶交だから!」
いったい何事だろう? と私は声のするほうに目を向けた。そこには傘を差した小学校高学年くらいの少年。すこし離れた場所にいる友達に向かって言ったようだ。
絶交などという言葉を聞くのはとても久しぶりだ。そんな単語を最後に使ったのはいつだろう。おそらく小学生のとき以来だ。それにしても、絶交とは、なんとも切なく、苦々しい気分にさせる響きなのだろう。それでいて、ノスタルジックな気分にさせてくれる。なんだか不思議。
絶交。交わりを絶つ。考えてみれば、きっぱりとした意図をもった過激な言葉だ。それを面と向かって勢いで言ってしまえるのは、子供の特権だなあ。
そんなことをぼんやりと考えながら先を急ぐ。すると、背後からまた先ほどの少年の大きな声が聞こえてきた。
「おれと一緒に帰んないってことは、絶交ってことだよな! そうだよな! はい、絶交!!」
あらら。絶交しちゃった。まあ、明日になれば、きっと仲直りできるよ。案外、絶交だうんぬんなんて忘れちゃって、ケロッとおはようの挨拶なんか言ってたりして。小学生って、やり直しが何度でもきくお年頃ですよね、そうですよね。うんうん。
続けざまにまた少年の声が響き渡る。
「はい、本当の絶交まで5秒前! 5、4、3、2、1、はい、絶交!」
かぁいい。ほんとは引き止めてほしいのね。
「これが最後だから! 3……2……………………………………1!! もう絶交だ!」
まずい、なんかおもしろくなってきた。
「いいのか!? 本気で絶交だぞ!!!!」
少年による「最後のチャンス」が幾度となく行使されるうちに、私と少年の距離はどんどんと離れていき、次第に声は聞こえなくなった。最後にかすかに耳にした少年の言葉は、こうである。
「13、14、15………!!!」
え、増えてるwwww (*○゚∀゚O)
その日は雨が降りしきっていた。手にした大きめの傘に雨粒が当たる音を楽しみながら、私は家から駅まで徒歩25分ほどかかる道をひたすら歩いていた。北千住近辺に住む子供たちが家路へと戻る姿が、ちらほらと視界の端をかすめては消えてゆく。もう夕方の5時になろうかという時刻である。
雨あしが徐々に強くなり、傘をたたく音も大きくなってゆく。それを聞くともなしに、駅へと向かう足をはやめる私の耳に、雨音に負けない少年の叫び声が聞こえた。
「絶交だ。もう絶交だから!」
いったい何事だろう? と私は声のするほうに目を向けた。そこには傘を差した小学校高学年くらいの少年。すこし離れた場所にいる友達に向かって言ったようだ。
絶交などという言葉を聞くのはとても久しぶりだ。そんな単語を最後に使ったのはいつだろう。おそらく小学生のとき以来だ。それにしても、絶交とは、なんとも切なく、苦々しい気分にさせる響きなのだろう。それでいて、ノスタルジックな気分にさせてくれる。なんだか不思議。
絶交。交わりを絶つ。考えてみれば、きっぱりとした意図をもった過激な言葉だ。それを面と向かって勢いで言ってしまえるのは、子供の特権だなあ。
そんなことをぼんやりと考えながら先を急ぐ。すると、背後からまた先ほどの少年の大きな声が聞こえてきた。
「おれと一緒に帰んないってことは、絶交ってことだよな! そうだよな! はい、絶交!!」
あらら。絶交しちゃった。まあ、明日になれば、きっと仲直りできるよ。案外、絶交だうんぬんなんて忘れちゃって、ケロッとおはようの挨拶なんか言ってたりして。小学生って、やり直しが何度でもきくお年頃ですよね、そうですよね。うんうん。
続けざまにまた少年の声が響き渡る。
「はい、本当の絶交まで5秒前! 5、4、3、2、1、はい、絶交!」
かぁいい。ほんとは引き止めてほしいのね。
「これが最後だから! 3……2……………………………………1!! もう絶交だ!」
まずい、なんかおもしろくなってきた。
「いいのか!? 本気で絶交だぞ!!!!」
少年による「最後のチャンス」が幾度となく行使されるうちに、私と少年の距離はどんどんと離れていき、次第に声は聞こえなくなった。最後にかすかに耳にした少年の言葉は、こうである。
「13、14、15………!!!」
え、増えてるwwww (*○゚∀゚O)
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